物置

雑多に、備忘録として

会津にひとり旅に出たら酪王カフェオレへの愛がぶり返した

先に言っておくが、これは会津旅行記ではない。会津旅行記と見せかけた、他県民による「酪王カフェオレへの愛」である。

 

10年ほど前、福島県に数年間住んでいた。初めての一人暮らしでましてや生まれ育った故郷の岩手を飛び出したために、見るもの触れるもの全てが新鮮だった。勝手の知らぬ土地でも過ごすうち何人か友達ができた。そんな友達から福島についていろいろなものを教えてもらった。

いかにんじん、「デートはうすい 夢のデパート」、皇室献上品にもなっている桃、三春の滝桜、M78星雲と姉妹都市を結んでいる街、郡山駅前の治安の悪さ、日本酒のおいしさ、テレビ局の本社が福島市郡山市で分散されている謎、「県庁所在地を郡山へ!」、夏がバカみたいに暑いこと、ヨークベニマル(ローカルスーパー)の略称はヨーク、ベニマル、ヨーベニの3タイプあり地域によって異なること、土湯温泉のめちゃでかいこけし、エトセトラ……。

食べ物はどれもおいしいし、ケンミンショー的なローカルゴシップもおもしろくて興味をそそられた。その中でも一番印象的だったのは「酪王カフェオレ」だった。

ご存じだろうか、この世で一番うまいコーヒー牛乳「酪王カフェオレ」を。この世で一番うまいは言い過ぎかもしれない。コーヒー牛乳は数あれど、感嘆し心に決めたコーヒー牛乳は後にも先にも酪王カフェオレしかない。グリコのカフェオーレから始まりサウンドノベル「街」の影響で雪印小岩井農場のコーヒー牛乳、岩手のくずまき高原コーヒー、奥中山高原のべこっこコーヒー、など嗜んできた。もちろんどれもうまい。正直優劣をつけるなどナンセンス。ナンセンスなのだが、酪王カフェオレはわたしにとって味もコスパも最強の「オールウェイズ合格点を出し続けてくれる」コーヒー牛乳だったのだ。

福島に住んでいる間は愛飲した。特にお気に入りは酪王ハイカフェオレだった。いつもの酪王カフェオレよりもビターでオトナの味がする。よく行くスーパーにはなぜか300mlパックしかなく、500mlが欲しいといつも思っていた。思いながら金銭に余裕のある時は冷蔵庫に数本入れていた。それくらいお気に入りだった。

 

先日有休消化のために愛車のekワゴンでひとり旅に出た。福島県会津若松市へ。鶴ヶ城を見学をし、飯盛山のふもとを通って白虎隊を思いちょっと胸を痛め、お土産の赤べこと起き上がりこぼしを購入し、東山温泉へ泊まった。なんという王道コース。

鶴ヶ城は後から再建したお城だそうで、内部は歴史を知るための展示に特化していた。高校生の時社会科の選択科目を世界史Bと日本史Aにしていたため、日本史は明治維新後、特に日露戦争や第一次・第二次世界大戦あたりのことしかわからなかった。というか、そのあたりが得意だった。会津藩が新政府軍に最後まで抵抗していたのは知っていたが、こんなにも長く壮絶だったとは。白虎隊の話もふわっとしか知らなかったので、悲しすぎてちょっと気持ちを引きずった。

東山温泉に取った宿は期待を倍以上超えるいい宿で、こんなに贅沢をして良いのかと困惑してしまった。1人なのに部屋にベッドが2つあるのだ。良い宿なのだから全室ツインなのはちょっと考えれば当たり前……じゃない。わたしの常識では。入ってすぐツインのベッドに当てられ、膝から崩れ落ちてしまった。そもそも、和室で布団敷きのおばちゃんが部屋にやってくるタイプの宿ではなかったのが軽く衝撃だった。ふと、恋人とこんな宿に泊まる日がくるのだろうかと思った。その前に恋人を作る努力をしなければならない。そんな努力などしない未来が見える。

それから、とんでもない眺望の温泉。渓流を見ながら入る温泉は最高だった。まあ、ど近眼のせいでほとんど何も見えてないのだが。滝の音と外の涼しさで露天風呂は無限に入っていられる心地よさだった。

料理もものすごかった。マスのお刺身を初めて食べた。マスってサーモンみたいなんだなと感動した。鯉の洗いも初めて食べた。泥臭くなくてコリコリっとした食感が良かった。それから、飲んだ日本酒がとてもフルーティーで飲みやすく、料理にマッチしていて最高だった。なんという銘柄かメモするのを忘れてしまい後悔している。こづゆという郷土料理も食べられて大変満足だった。馬刺しもつけたかったのだが、お鍋に陶板焼きもあって結構な量だったのでつけなくて正解だった。馬刺しはまたいつか……。

翌日は猪苗代湖へ行った。深い色をした湖と磐梯山。自然は癒しだ。田沢湖とはまた違った、ずっと見ていたい景色だった。また、猪苗代湖沿いを道の駅へ向かって走ったのだが、これが気持ち良すぎてまた走りたいと思えるドライブ体験だった。道の駅も磐梯山がばっちり見える立地でとてもよかった。

 

福島県で暮らしていた数年間、ほぼ中通り福島県を縦に3分割した真ん中の地域)しか動き回ることがなかった。ゆえに会津へは見るもの聞くもの食べるもの全てが初めてでとても良い旅行となったのだが、それを上回る勢いで酪王カフェオレが印象に残ってしまった。

わたしが福島を離れた後にできたのだろう新商品があまりにもおいしかったからだ。その新商品とは、

酪王抹茶オレ

酪王ももオレ

f:id:meronoannohito:20230724202920j:imageコラージュ写真で失礼。ももオレは興奮のあまり写真を撮る前に飲み始めてしまった。

もはやカフェオレではない。でもオレだから良いのだ。

とにかく衝撃的だった。甘いだけではないのだ。酪王は違う。甘いが、素材の良さを引き出す甘さなのだ。抹茶の良さが、もものよさが十二分に発揮されている。そこに加糖された牛乳の甘さ。これらが合わさってこその酪王。とくにももオレのポテンシャルの高さ。福島といえばやっぱり桃がうまいと住んでいた時に実感したくらい、7月ごろになるとクオリティの高い桃があちらこちらで販売される。そんな桃と酪王カフェオレシリーズは出会う。これは必然。やはり「酪農の王」を自負しているだけあって格の違いを見せつけてくるうまさ。感動した。一生お仕えします……。

感動したので、一日中お供として飲んだ。会津若松滞在中の身体は酪王カフェオレシリーズでできていたと思うし、移動中も休憩のため道の駅やコンビニに寄るたびに2本ほど酪王カフェオレシリーズを買い足す。酪王カフェオレが切れないように。

直会津旅行の記憶が酪王カフェオレに支配されていて上記のこと以外の詳細な記憶が思い出せない。もっと、なんか、あった気がする。酪王カフェオレの前ではわたしの記憶力など無力なのか……。わたしは普段から写真を全く撮らない人間なのだが、それでも旅行だから多少撮ったはずと思いカメラロールを見て記憶を呼び起こそうとする。今回は20枚も撮っていない。その内4枚は酪王カフェオレシリーズで埋まっている。あとは鶴ヶ城天守閣からの景色と、旅館の部屋、料理の写真が数枚。酪王カフェオレが1/4を占めている。カメラロールを見た瞬間、酪王カフェオレに目が留まる。脳が酪王乳業に支配されている。確かに、行く先々で飲んだ酪王カフェオレシリーズは格別のうまさだった。最高のロケーションで最高のコーヒー牛乳を飲む。こんな贅沢許されるのか?!

 

実家に戻ってきてから酪王カフェオレの記憶が薄れてきていたのだが、会津旅行を通して気持ちがぶり返してしまった。この酪王カフェオレに対する執着、愛と呼ばずして何と呼ぶのか。……もはや中毒?あの英字新聞を模したかのような、オレンジとカフェオレ色のパッケージが恋しい。近くに欲しい、酪王カフェオレが販売されている小売店……。

 

 

酪王カフェオレ、福島県外だと宮城などの隣県では割と難なく買えるようだ(わたし調べ)。そしてわたしの住む岩手で酪王カフェオレの買える場所が盛岡駅構内のNew Daysくらい(わたし調べ)しかなくて落胆している。盛岡市内に行くことはあっても、盛岡駅は滅多に行くことがない。重たい腰を上げて映画を見に行った時に行けたら行く、の精神で買いに行くかもしれない。

オンラインショップもあるが、わたしはネットショッピングよりも手に取ってお買い物をするのが好きな人間なので、わたしの行動範囲内で販売してほしい。何度でも言う、行動範囲内で販売してくれ。特に職場近くのスーパー、何故か酪王乳業の「生乳たっぷり飲むヨーグルト」は売っているのだから酪王カフェオレも入れて良いのではないだろうか。頼む、チルド飲料仕入れ担当者よ。

それにしてもこのオンラインショップ、酪王カフェオレよりも酪王カフェオレ赤べこなどのグッズが気になってしまうな。酪王カフェオレ色の赤べこは、赤ベこじゃなくてカフェオレべこなのではないか。

などと思いながら、今日も酪王カフェオレに思いを馳せている。

rakuou.shop21.makeshop.jp