物置

雑多に、備忘録として

キミはその時代に生まれていなかったことを嘆いたことはあるか?~初心者に捧ぐ平沢進のススメ~

3日悩んで生まれた、我ながら仰々しい記事タイトル。

こんにちは、わたしです。

早速察しが良い皆さんはお気づきであろう、わたしはこれから

平沢進

という音楽使いをざっくり独断と偏見で布教します!!!!!

え???誰だって???とりあえずこの記事を読んでくれ、沼から抜け出せなくなるから。個人差はあるけど。

では諸君、用意はいいか?

 

 

 

 

 

 まず、平沢進とは。

公式のプロフィールもしくはウィキペディア見れば大体分かるはず。

susumuhirasawa.com

平沢進 - Wikipedia

 まあ要するに、やること為すこと時代の最先端を行きすぎて「時代が追いついていない」と言われるキャリア40年近くの年齢不詳(64歳)音楽使いである。愛称は「師匠」、「ヒラサワ」等。ちなみにファンの呼称は主に「馬の骨」「馬骨」です。

その要因は作る音楽やインタラクティブ・ライブ、ソーラーライブとか自作楽器とかいろいろあります。

特に自作楽器。「チューブラヘルツ」「ダイナモシンセサイザー」なるものや、「レーザーハープ」といったものを作ってはライブでお披露目しております。ここ最近はレーザーハープにお熱?なのか、いろんな形で改良をしながら今なお進化しております。

www.ikebe-gakki.com

これ、イケベ楽器の昨年のライブレポ記事なのですが、トップの写真平沢さんの真ん前にある謎の鉄板4枚、これ「レーザーハープ」です。実際にライブで見るとレーザーハープからレーザーがあちこちに飛んでてとても良い。きれい。

 

また、平沢師匠は言動がとても魅力的で、時折一部ネットで話題になることもあります。

例えば、

togetter.com

togetter.com

この辺りはだいぶ前に騒がれました。特にリボルテックのフィギュア化の件は平沢進という人物を知りつつあったときだったので、togetterでこの記事を見つけたときは(なんだこの面白おじさん)と腹を抱えて笑いました。

とにかくユニークで自分の世界観が強いお人です。それ故にとても引き込まれる文章を書くお方でもあります。

Phantom Notes|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site – 平沢進オフィシャルWebLog

これはブログなんですけど、SFっぽい世界観で書かれている記事もあります。ちなみにわたくし、高校3年の夏休みは受験勉強そっちのけでずっとこれを読み漁ってました。わたしのお気に入りはΣ-12が出る話。是非、師匠にはSF小説を書いてほしいところ。

 

 

比較的入りやすいであろう曲紹介

ある程度人となりを紹介したところで、肝心の曲を独断と偏見で紹介しましょう。あくまで「初心者に捧ぐ平沢進のススメ」なのでP-model*1時代はとりあえずナシで、ソロ活動と核P-model*2の中から個人的に「どちゃくそ推せるわ」というものをとりあえず4つピックアップします。

 

オーロラ(ソロ4thアルバム『Aurora』収録・1994年発売)

勇ましいオケとは裏腹に優しい歌声が心にしみる一曲。

わたし、サビが特に好きなんですけど、

キミの始まりの日へ

キミの始まりの日へ

キミの始まりの日へ 帰る日に

これがとにかく良くて。わたしの印象では、時を遡ろうとしているのかわからないけど、キミを失くした事実が大きくて抗いたいという気持ちを感じるんですよね。そしてだんだんと命は巡っていることを認識していく…みたいな。ある意味では仏教的観点が入っているのかなとも思います。

この曲が収録されているアルバム『Aurora』では氷で閉ざされた大地や命が停止して再生するような感覚を味わえるかと思うので、気になった方は是非。パッと惹かれるような曲は少ない分、聴き込むほど全身に心地よさが流れ込んでくると思うので。

そうそうオーロラ、セルフカバーがあと2つありまして、『オーロラ2』『オーロラ3』というまあ何ともそのまんまなタイトルなわけですが、前者はテクノポップで明るさがあるオケに、後者はオーケストラアレンジでより壮大になっておりますのでそちらも是非。 

AURORA

AURORA

 

 

Solar Ray

Solar Ray

 

 『オーロラ2』はこちらに。3はダウンロード販売なので公式サイトでどうぞ。

 

Archetype Engine(ソロ5thアルバム『Sim City』収録・1995年発売)

東南アジア系の民族音楽感の中に科学の未来がある。

初めて聴くとこれから何が始まるのか想像がつかないと思う。わたしもそうだった。これ以前も世界観独特だけど、特に1995年以降の曲は初見ではより未知の世界過ぎて理解が追いつかないんじゃないかな?歌詞もそうなんですけどね、

アンドロイド弾丸の眼差しで

今朝アンダマンの海を越え

意志に母の心ねは

She was made in Malaysia

イントロ終わって開口一番これなんですけど、すごくない?わたしはめちゃめちゃ痺れた。これは聴くSFだ。

Sim City というアルバムの雰囲気全体がそうなんだけど、「見知らぬ異国の地(東南アジア)に降り立ってみたら人々がみんなサイバネ化してて、やけに生活が規則正しくて、ついでに言うとこの街が実在しているように見せかけている精巧なホログラムなんじゃね?」みたいな空気感纏っているのよ。なるほどまさにシムシティ。この曲がお気に召したら、同じアルバムに収録されている『環太平洋擬装網』も気に入ると思うので聴いてください。

Sim City

Sim City

 

 

Mother(ソロ7thアルバム『救済の技法』収録・1998年発売)

全人類というより、生きとし生けるものすべての母が地球ごと包んでくれる優しさ。

ギャラクシー感というよりかは、花を愛でたり抱きしめたり、慈愛に富んだ曲だなぁと思います。イントロから異国感あるけど、逆にそれが国境を感じさせなくしてくれて、博愛感に満ちてる。それがまた良い。

やや話逸れますが、この曲に関しては良作MAD動画が結構あるなという印象。お好きなアニメのMADがあれば見て欲しい。知らんうちに目から汁出てくるから。わたしはまどマギMADが好きです。

nico.ms

これ、目と鼻から汁出過ぎて顔面ぐちゃぐちゃになるくらい感動した。

救済の技法

救済の技法

 

ジャケ写が各方面でよくネタにされるアルバムでもある。 

 

Big Brother(核P-model1stアルバム『ビストロン』収録・2004年発売)

(なんだこのイントロドードリオ)と思ってしまった曲。なんとも不穏な言葉が並べられ、まさに夜警国家ディストピア的世界観。わたしのファースト平沢進はこの曲です。

様々なところで考察が行われているほど歌詞が難解不可思議な平沢進御大でありますが、こちらだいぶ直接的で明快な比喩も多く、元ネタが分かればより楽しめる曲となっております。

路上スタンガンの電撃が撃つ群衆の影

これ歌いだしなんだけど、わかりやすいでしょう?

その元ネタというのがジョージ・オーウェルの小説『1984年』。この小説の世界観をギュッと凝縮したのがこの曲と言っても良いのではないかと思います。こんな調子でアルバム全体的にディストピア過ぎて穏やかになれないから、そういうの好きな方は是非。

ビストロン

ビストロン

 

 

 

以上4曲挙げてみました。

曲を聴くだけならYouTubeとかで探せば聴けます。本人が違法アップロードを黙認しているそうでそのため削除されないようです。にもかかわらず現在世界規模でファンが増えていて新規はCDをどんどん買うので、本当にすごいおっさんだな。

ちなみに初めて平沢進の音楽聴くよ〜って人にいつも言っていることがあるのですが、おそらく3回聴かないと腑に落ちないです。

プロセスだけ書くと、

1回目、あ〜?

2回目、あ〜

3回目、あ〜!

となるんですよ。

とにかく騙されたと思って3回聴いてみてほしいです。そうしたらきっとハマるから…そして沼にずぶずぶ浸かるから…。

沼にすっかり肩まで浸かったころ、きっとこう思うでしょう。

「何故その時代に生まれていない?!当時の師匠の活動を見たかった!」と。

はい、ここで記事タイトル。これはわたしが幾度となく感じていることで、タイムマシンの完成早よとも思うほどなんですよね。こんなにも過去へ遡ってまで追っかけて見たいと思うミュージシャンいないです。いやマジで。タイムリープしたいそんなキミには

8760.chaosunion.com 

をおすすめします。こちら過去のライブでのエピソードやセトリなどなど有志が情報を提供してくれており、わたしみたいなファン歴も人生も浅い若輩者にも親切なサイトとなっておりました。公式の企画サイトなんですけどね。本当にありがたい……足向けて寝れないわ。

 

最後に 

あれこれ紹介したわけだけど、これはまだほんの一部に過ぎず流石にキャリア40年にもなろうとしている大御所なので本当にいろんなことをしております。興味を持ったみなさんはインターネットの深海へ潜っていろんなことを見てほしい。掴み所ないから。

そうそう、今年は核P-model名義でアルバムが出るそうですよ!師匠は毎回アルバムリード曲を一曲まるまる無料で試聴させてくれるという粋な計らいをしてくれるお方なので、そちらも是非チェックしてはいかがでしょうか。

そして11月の東京公演のライブ会場で馬骨のみんんさと握手!!

*1:平沢進がフロントマンの1979~2000年まで活動したテクノポップバンド。時期によって楽曲の雰囲気がガラッと変わる。メンバーもガラッと変わる。

*2:2004年から活動している平沢進のソロプロジェクト。